3月 2016 – 淋病の大きな問題は抗菌薬耐性化

2016.03

男性は淋病に感染したら、泌尿器科で受診します。淋病とは、淋菌が原因で発症する病気です。最近はオーラルセックスが増加しているので、淋病になる人がふえています。また一度の性行為でうつる確率がおよそ30%と高いのも患者数を増やす要因です。男性はうつってから2日~1週間で症状が現れます。尿道に軽い違和感があり、尿道炎や精巣上体炎の症状が出ます。尿道からの膿や強い排尿痛、尿道の痒み、発熱などが起こるので、尿道炎だと判断して泌尿器科に行くと淋病が見つかることも少なくありません。多くの場合、クラミジアにも感染しているので、泌尿器科では淋病の治療に両方の感染症に効く抗生物質を使用します。それはニューキノロン系のクラビットです。完治させるのに非常に効果的な薬ですが、副作用が起こることもあり、特に高齢者では症状が重くなります。重い副作用に間質性肺炎があります。肺は肺胞という小さな房がぶどうのように集まって構成されており、気道を通った酸素は肺胞の内側に入り、間質と呼ばれる薄い壁を流れる血液に取り込まれます。一般的に肺胞の中に炎症が起きることを肺炎といい、肺胞の間質に炎症を起こすのを間質性肺炎といいます。間質性肺炎の原因は日常的に受ける刺激で、その中に抗生物質の飲み過ぎも含まれます。間質性肺炎では呼吸困難や空咳などの症状が一般的です。間質性肺炎になると、副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤を使って治療します。しかし淋病にかかっている時は、免疫力を低下させるとさらなる性感染症につながるため、間質性肺炎の症状が緩やかな場合は咳を抑える薬など対処療法を行います。また呼吸困難で酸素が足りない時は、鼻から酸素を吸入する酸素療法をします。

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